産後に、「え?私ワキが臭い・・・、何で?」と、ワキガを気にしてしまう女性はとても多いです。
産後はホルモンバランスが乱れやすい時期です。
授乳による胸のハリなどから、ワキガの原因を作り出すアポクリン腺を刺激しやすくなり、ワキガになってしまうことがあります。
ここでは、産後にワキガになりやすい理由や、産後のワキガに対する対処法などをご紹介していきます。
産後に突然ワキガになる人が多い理由
産後はホルモンバランスの乱れでワキガになりやすい
産後はホルモンバランスの乱れが大きく出るので、ワキガになりやすいです。
ワキガが臭く匂う原因は、アポクリン腺から出る汗と、皮膚の雑菌が混ざり合ってしまうことです。アポクリン腺からでる汗は、タンパク質や脂質を多く含み、少しネットリとしているのが特徴です。
産後はホルモンバランスの乱れが出やすく、その影響でアポクリン腺から出る汗には、いつもより多めのタンパク質や脂質が溶け出しています。ですから、産後はワキガになりやすくなります。
また産後はホルモンバランスの乱れから男性ホルモンが優位になり、ワキガになりやすくなってしまうことも多いです。
「汗を出すホルモンは男性ホルモン」で、「汗を抑えるホルモンは女性ホルモン」です。
産後はホルモンバランスの変化で”男性ホルモンが多く分泌される”ようになりますから、産後はとても汗をかきやすくワキガになりやすくなるのです。
また産後は様々なホルモンがアポクリン腺を刺激してしまうことで、ワキガが誘発されやすくなります。
例えば、産後におっぱいをあげるために必要な乳腺の発達によって胸の張りを感じた時なども、アポクリン腺が多大な刺激を受けていると考えられます。
このように産後はホルモンの影響を受けて、突然ワキガの症状を出すようになります。
元々ワキガ体質の人はもっとひどくなる?
元々ワキガ体質の人は、産後にワキガが悪化してしまうことがあります。
出産前から元々ワキガ体質で、軽くワキガの症状を感じていた方ならば、産後はワキガの症状がひどくなる方も多いです。
これも原因は、産後に起こるホルモンバランスの乱れです。
元々、ワキガ体質の方は、アポクリン腺も発達しやすい傾向が強いため、かなり高い確率でワキガが悪化するといわれています。
産後のワキガが悪化してそれを思いつめてしまい、「産後うつ」になる方もいます。この時期のワキガの悪化はあまり気にしないのが得策です。
産後のワキガは一時的?発症から匂いが消えるまでの期間
産後のワキガはいつまで続くの?
産後のワキガは、産後5~6ヶ月くらいまで続く方が多いです。
産後のワキガは、「産褥期多汗(さんじょくきたかん)」と呼ばれ、産後の汗が多く出やすい時期”に起こることが多いです。
産褥期多汗は産後5~6ヶ月頃には収まってくることが多いので、この頃になるとワキガの匂いも気にならなくなる方が増えます。
しかし中には、赤ちゃんに授乳をしている授乳期の産後1年~1年半くらいまで、ワキガの症状が残ってしまう方もいます。
おっぱいを作り出す乳腺は、赤ちゃんにおっぱいを吸われることでどんどん発達するため、ワキにあるアポクリン腺もその刺激による影響を受けて、ワキガになりやすくなってしまうのです。
ですから、産後のワキガの症状は、産後5~6ヶ月で治る方と、1年以上続いて長引く方がいます。産後5~6ヶ月頃にワキガの症状がまだ残っている方は、赤ちゃんへの授乳をやめるとワキガの症状が落ち着くことがあります。
産後のワキガが自然に治るケース
産後のワキガは、出産してから5~6ヶ月頃から自然に治ることが多いです。
先程も述べましたが、産後にワキガになる大きな原因はホルモンバランスの崩れです。そしてこのホルモンバランスの乱れが徐々に整ってくるのが、産後5~6ヶ月頃だといわれています。
この時期になると、一時的に活発になっていたアポクリン腺がいつも通りの汗腺の状態に落ち着くことが多いです。ですから、産後のワキガもこの時期になると落ち着きを見せてきます。
また産後5~6ヶ月頃は赤ちゃんの睡眠のリズムも整ってきて、ママも夜はまとまった睡眠が取れるようになるので、出産によって衰えてしまった体力も戻ってくる時期です。
ワキガは免疫力が下がった時に、雑菌の繁殖力が強くなることでも悪化する場合があります。産後のママは免疫力が下がっていますから、菌に対する抵抗力も弱くなりワキガにもなりやすくなります。
体力が戻るとワキガ臭も減ってきますから、免疫力が回復した産後5~6ヶ月頃になると、多くの方は産後のワキガから解放され始めます。
ワキガ体質の人が産後にワキガが治ることがあるって本当?
元々ワキガ体質だった方が、産後にワキガが治ることは、あまりありません。
産後にホルモンバランスの乱れによって、ワキガが悪化することは多くあっても、「ワキガが治る」というこは、あまり考えられません。
ごく一般的な「普通ワキガ」の大きな原因は、遺伝です。
ですから元々ワキガ体質だった方が、産後にワキガが急に治るということは、遺伝が70~80%の原因を占める普通のワキガの世界では、あまりないでしょう。
ですが人間の体は突然変異なども起こることがありますので、中には本当に「産後にワキガが治った!」という方もいるかもしれません。
産後のワキガ臭を軽減させる5つの対処法
ここからは、気になる産後のワキガ臭を軽減させるための対処法をご紹介していきます。
①軽い運動や入浴で良い汗をかく
産後のワキガは、運動や入浴などで良い汗をかくことで軽減されやすくなります。
悪い汗とは、ベトベトとした汗のことです。これは、汗腺の働きが悪いことで起こります。
産後に少しのすき間時間があれば、軽いストレッチや運動を行いましょう。
汗腺は鍛えることが可能な部分で、鍛えれれば鍛えるほど、サラサラとしたニオイのない汗をかけるようになります。運動は汗腺の働きを最も活性化させる良い方法です。
また、お風呂でも良い汗をかく方法があります。以下でご紹介します。
- 「手足高温浴」・・・43℃くらいの熱めのシャワーを、ヒジ下とヒザ下に、10~15分くらい当てる。
- 「微温浴」・・・36℃くらいの湯舟に、全身、10~15分つかる。
また、ワキガは汗を乾燥させることでも抑制できますので、上記の入浴法を行った後は体をキレイに拭き上げて、そのまま5分くらいは服を着ないで肌を乾燥させるともっと効果的です。
②肉などの動物性タンパク質を摂りすぎない
動物性タンパク質の摂取量を減らすと、ワキガのニオイが軽減されやすくなります。
アポクリン腺から出る汗は、タンパク質や脂質も混ざっています。タンパク質や脂質が多く混ざっている割合が多いほど、ワキガのニオイはキツく感じられるようになります。
ですから、産後のワキガを軽減させるためには、動物性タンパク質を控えるとワキガ臭が抑えられます。
産後はタンパク質の摂取も重要なので、多少は問題ありませんが、動物性タンパク質の取りすぎには注意が必要です。動物性タンパク質は肉やチーズ、乳製品などに多く含まれているので、これらを食べ過ぎないようにしましょう。
なお、豆腐や納豆などの「植物性タンパク質」は、ワキガにはあまり関係がないとされていますので、タンパク質を摂取するなら「植物性タンパク質」を多めに摂りましょう。
③ワキを清潔にしておく
ワキを清潔に保つことで、ワキガの匂いを軽減させることができます。
ワキガは、ワキに雑菌やバイ菌が多く繁殖していると、ニオイがきつくなります。汗と大量の雑菌が混ざり合うと、ニオイは余計に増加します。
ワキを清潔に保つ方法を、以下でご紹介します。
- 汗をかいたらウェットティッシュなどでこまめに拭き取る
- ワキ汗パッドを使う
- 毎日、運動・入浴して汗腺を鍛える
- ワキ毛の処理をしておく(ワキ毛は雑菌の宝庫です)
以上にように、ワキの雑菌が増殖しないように気をつけることで、産後のワキガのニオイを軽くしていくことができます。
④寝れる時に寝て、体調を整える
睡眠をしっかりとると、ワキガも軽減されやすくなります。
産後すぐは、3時間おきの授乳が待っています。睡眠不足から体調を崩す方もいるでしょう。そのような時は、ホルモンバランスも乱れていますから、ワキガのニオイもひどくなります。
赤ちゃんが寝た時は、できるだけ自分も寝て、体を休めましょう。睡眠不足にならないことが、ホルモンバランスの乱れを整える良い薬になります。
睡眠不足から抜け出すことができると、ホルモンバランスも早めに安定しますので、ワキガ軽減につなげることができます。
⑤ワキガもケア出来る制汗剤を使う
ワキガケアも出来る制汗剤を使うと、ワキガ臭が抑えられます。
汗のニオイを抑えるデオドラント製品には、スティックタイプ、ロールオンタイプ、スプレータイプなど様々なものがあります。
中には、ワキガ対策にも使える制汗剤もあります。「今日はワキガがひどく臭うな」という時には、ロールオンタイプの制汗剤を塗った後で、スプレータイプの制汗剤を上塗りする「二重使い」で、ワキガの匂いを抑えるのも良い方法です。
ワキガ対策でデオドラント製品を選ぶ際は、なるべく無香料タイプを選ぶとよいでしょう。香料が入ったデオドラント製品はオシャレですが、ワキガの匂いと混ざると、余計に臭くなる場合がありますので気をつけましょう。
まとめ
産後はホルモンバランスの乱れから、汗腺が刺激されることが多く、ワキガになりやすい時期です。
ですが、産後のワキガは5~6ヶ月頃から、1年ほどで気にならなくなる方がほとんどです。
「私、ワキガになっちゃった」と、産後の突然のワキガを気にして悩み過ぎると、今度は「精神的発汗」からワキガの匂いがもっとひどくなることもあります。
産後から授乳期は「産後だから、これくらいのワキガは仕方ない」と、おおらかな気分で過ごしましょう。