高額な費用が必要になってしまうワキガ手術。
しかし、ワキガ手術が保険適用で受けられる場合があるのをご存じですか?ワキガ手術を保険適用で受けることができると、費用面でとても楽になりますね。
でもワキガ手術の保険適用は制限されているため、受けられる人と受けられる手術方法が決められています。ワキガ手術の保険適用の場合と、自由診療の場合についてご紹介します。
ワキガ手術が保険適用で受けられる人
ワキガ手術は、皮膚科、形成外科、美容皮膚科、美容外科などで治療することができます。ワキガ手術は自由診療がメインとなっているため、高額が必要となってしまうことも。
でも場合によっては、保険適用でワキガ手術を受けることができることがあります。
まず保険適用になる人は、医師にワキガだと認められた人のみです。ワキガの強度には個人差があります。同じ空間にいるだけで他人に気づかれるワキガと、脇に鼻を近づけて嗅がないと分からない程度のワキガでは扱いが違います。
基本的に、重度のワキガだと保険適用になりますが、軽度のワキガでは保険適用になららいようです。
ワキガかどうかを判断する方法は、脇に挟んだガーゼのニオイを医師に嗅いでもらうというもの。ニオイに対する感覚は個人によって違うので、医師によっても判断にばらつきがあることも。
医師によって判断の基準が違う場合、あるクリニックでは保険適用外になってしまったけど、他のクリニックでは保険適用になることもあるようです。
他の方法には、脇の下を切開して、ワキガの元となるアポクリン腺があるかを目で見て確認する方法もあります。
ワキガ手術を保険適用で受けられるクリニック
ワキガ手術の保険適用は、どこのクリニックでも行っているわけではありません。自由診療のみ行っているクリニックもあります。
保険適用の手術方法も、クリニックによって違うようです。現在保険適用で受けられるワキガ手術は、剪除法となっています。他にもワキガ手術はありますが、ほとんどのクリニックで自由診療となっているようです。
ワキガ手術を保険適用で受けたいと思った時には、まず初めに保険適用のワキガ手術を行っているクリニックを探してみてくださいね。
保険適用のワキガ手術―剪除法
現在ワキガ手術のメインとなっているのが、剪除法です。脇の下を3~5センチ切開して、切開した部位の皮膚をめくって裏返し、皮下にあるアポクリン腺を露出します。そしてアポクリン腺を目で見ながら、一つずつハサミでカットして取り除いていく方法です。
剪除法のメリットは、ワキガ手術の効果が一番期待できるというところ。剪除法では目で確認しながらアポクリン腺を取り除くことができるので、取り忘れが少なくてすみます。
そのため、90%前後のアポクリン腺を除去できると言われています。アポクリン腺が90%減少すると、ワキガのニオイもかなり薄くなりますよ。
アポクリン腺の根の部分までしっかりと取り除くことができるため、ワキガの再発もほとんどないと言われています。剪除法は、重度のワキガの人にも対応できる手術方法です。
デメリットは、傷跡が残ってしまう可能性があるということ。剪除法は他の手術方法よりも大きく切開しないといけないため、傷跡が残りやすくなってしまいます。脇が色素沈着してしまうことも。
跡がどれくらい残るかは人によって個人差がありますが、多少の跡は覚悟して手術を受ける方がいいかもしれませんね。それでもいいからとにかくワキガのニオイをなくしたい!という方にオススメです。
費用は、保険適用で受ける場合は3~5万円くらい。自由診療で受ける場合は20~30万円くらいです。
自由診療の場合は、クリニックが好きなように料金を決めることができるため、クリニックに値段が違います。保険適用と自由診療では、同じ手術方法でも大きく値段が違いますよ。
自由診療のワキガ手術―皮下組織吸引法
皮下組織吸引法は、剪除法よりも傷跡が小さくてすむ手術方法です。脇の下を1センチ程切開します。切開した部分から、カニューレと呼ばれる細い管を皮下に挿入します。
そして、そのカニューレで皮下にあるアポクリン腺やエクリン腺、皮脂腺などの皮下組織をかきだしながら吸引していく方法です。
皮下組織吸引法の一番のメリットは、傷跡が小さくてすむということ。1センチ程切開することで、広い範囲のアポクリン腺に対応することができます。傷跡が小さい分脇へのダメージも少なく、体にかける負担も少なくてすみますよ。
デメリットは、アポクリン腺を全部除去できないということ。皮下組織吸引法は剪除法と違って、目で見ながらアポクリン腺を取り除くことができません。そのため、アポクリン腺を取り忘れてしまうことが多くなってしまいます。
どれだけのアポクリン腺が残ってしまうのかは医師の技術や脇の状態によっても違うのですが、30%前後の取り忘れが発生してしまうと言われています。
アポクリン腺の根の部分までしっかりと取り除くのが難しいため、手術を受けても30%前後の確率で再発してしまうことも。再発してしまった場合、再度治療が必要になります。
軽度から中等度のワキガの人向きの手術方法とされていますよ。費用は、10~20万円程。
自由診療のワキガ手術―超音波吸引法
皮下組織吸引法に改良を加えたものが、超音波吸引法です。脇の下を1.5センチ程切開します。切開した部分から超音波を発生させることのできる機器を皮下に挿入し、超音波を皮下組織に当てて、アポクリン腺やエクリン腺を超音波の熱で破壊します。
そして、破壊したアポクリン腺とエクリン腺を吸引して取り除く方法です。
超音波吸引法のメリットは、皮下組織吸引法よりもアポクリン腺を除去できる率が高いということ。超音波吸引法だと、80%前後のアポクリン腺を除去することが可能だと言われています。切開する大きさは1.5センチと、剪除法よりは小さくてすみます。
デメリットは、20%前後のアポクリン腺を取り残してしまうということ。そのため、ワキガのニオイが残ってしまうことも。アポクリン腺の根まで取り除くことができないため、20%前後の確率で再発してしまうと言われています。
超音波を使用する分、皮下組織が火傷を起こしたり、壊死を起こしたりというリスクもあります。軽度から中等度のワキガの人向きの手術とされています。費用は、20~30万円程。
自由診療のワキガ手術―皮下組織削除法
特殊な器具を使用することで、剪除法に近い効果を得ることができる方法です。脇の下を1センチ程切開します。片側がローラー、片側がカミソリの刃のようになっているハサミ型の器具の、カミソリ側を皮下に挿入します。
ローラーで皮膚を抑えながらカミソリ側を動かし、アポクリン腺、エクリン腺、皮脂腺などを含む皮下組織を削り取っていく方法です。
一番のメリットは、1センチ程の切開で、剪除法と同じくらいのアポクリン腺を除去できるところ。そのため、90%前後のアポクリン腺を取り除くことができます。再発率もほとんどないようです。重度のワキガの人にも対応できる手術方法ですよ。
デメリットは、吸引法よりも固定をしっかりとしないといけないところ。高度な技術が必要になるので、施術できる医師が限られてしまうことです。皮下組織を削除しすぎてしまうと、皮膚が赤茶色になってしまう恐れがあります。費用は、20~30万円程。
まとめ
「やっぱり危険!ワキガ手術を受ける前に知っておきたい5つのリスク」にも詳しく書きましたが、ワキガ手術には、「ワキガの悩みから解放されること」が期待できる反面、相応のリスクがあります。
手術を受ける前に、消臭効果の強いデオドラントを試すなど、できるだけリーズナブルでリスクが低い方法で臭いケアすることとお勧めします。